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ミツバチを飼ってみたら
巣箱を開け、ミツバチを見る知人
一昨年から、住んでいるビルの屋上でミツバチを飼っている。知人が屋上緑化に合わせて勝手に巣箱を置いていったのだ。花とて特にない街なかなので、生存すら危ぶんだのだが、ドッコイ、公園や野の花から蜜を集め、健気に生きている。
また、刺されるんではないかと心配したが、それも無用のことだった。ミツバチは攻撃されない限り刺さない。そうと分かればじっくり観察出来る。働きぶりは実に甲斐甲斐しい。一心に外で蜜を集め、戻ってくる。見ていると、こちらまで元気が出てくる。
心配事もある。ミツバチを餌にするスズメバチが寄ってくるのだ。巣箱の周りでホバリングし、捕まえると、どこかへ連れ去っていく。最初はスズメバチに恐れおののいたが、可愛いミツバチをやられてなるものか。トラップを仕掛け、スズメバチが巣箱の中に入れないようにした。また、護民官よろしく、ホバリングしているスズメバチをバドミントンのラケットで果敢に叩き落した。一撃で仕留めないとこちらがやられるので、最高に緊張する。
そうやって得た蜜の何と甘く輝かしいこと。余りに珍しくうれしいものだから、近所の人や友人を呼んでパーティーを開いたりした。
昨年は冬が越せず、絶滅したため、その後、別のミツバチ集団を入れた。この冬は巣箱に毛布を巻き、ブルーシートで囲うなど防寒対策を施した。それでも寒波の襲来が気になって仕方ないこの頃である。（孝治）
